夫婦ともに生殖機能に問題ナシ。でも子供を授かれない理由とは。

妊活関連

ブライダルチェックをして夫婦ともに問題なし。後は子供を授かるだけだと思っていたのになかなか妊娠しないという悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

ここでは、検査をして問題なかったのになかなか子供を授かれないと悩んでいる夫婦に向けて、考えられる原因をまとめていきます。


原因1.確率の問題

一般的には生殖機能に問題のない男女が排卵日付近で性交渉を行った場合、25~30%の確率で妊娠すると言われています。

妊娠を望むカップルが避妊をしないで性交を行うと、1年後には90%のカップルが妊娠します。

これは、年間10~12回の排卵(妊娠のチャンス)があったのに、累積して90%のカップルしか妊娠していないということです。

3ヶ月で50%。6ヶ月で70%。1年で90%の割合で妊娠している為、排卵1回あたりの自然妊娠率はおよそ30%程度。

たかばたけウィメンズクリニック http://www.takabatake-cl.net/fertility/

排卵1周期当たりの妊娠確率

25歳 25%~30%

30歳 25%~30%

35歳 18%

40歳 5%

45歳 1%

M.Sara Rosenthal.The Fertility Sourcebook.Third Edition

したがって、避妊をせずに1年間性交渉をおこなった場合、確率的にはほぼ100%で妊娠すると考えられます。このことから不妊期間が1年以上ある場合は不妊症の疑いがあると判断されるケースが多いようです。

「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。

公益社団法人 日本産科婦人科学会 不妊症 https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=15

「なかなか妊娠しないのは運が悪いせいかな」と思われた方は一度、確率の計算をしてみることをオススメします。仮に排卵1周期当たりの妊娠確率を30%とし、妊活期間をNか月とすると以下の式で求めることができます。

妊娠確率[%] = 100 × {1 – (0.7)^N}


原因2.一般的な不妊検査では見つからない障害

不妊検査としては、以下のような検査が一般的におこなわれています。以下の検査の内、まだしていない検査があるようでしたらその検査をしてみることをオススメします。そして、これらの検査をしても原因がわからない不妊の場合は原因不明不妊という診断になるようです。

女性ホルモン測定、子宮卵管造影、超音波検査、頚管粘液検査、フーナーテスト、精液検査など。これらに異常がなければ原因がはっきりしない原因不明不妊と言う診断になります。

香川県 子ども政策推進局子ども家庭課 原因不明不妊 https://www.pref.kagawa.lg.jp/kodomokatei/sanka-iryo/memo/1.html

ですが、もし原因不明不妊だったとしてもまだ落ち込む必要はありません。

原因不明とは言っていますが、その多くは卵管が癒着しているために起きる卵子のピックアップ障害などが原因と見られているようです。

湘南レディース鍼灸治療院 https://hari-pro.com/aih/

原因不明不妊の多くは卵管の先端(卵管采)の周囲癒着による卵⼦ピックアップ障害による卵管不妊と⾔われています。子宮卵管造影検査では判定できない細かい部分です。腹腔鏡でこれらを検査/診断し、同時に治療(癒着剥離術)も可能です。

杉山産婦人科 生殖医療科 https://www.sugiyama.or.jp/reproduction/consult/unknown-cause

原因不明不妊には、卵子の卵管内へのピックアップ障害、卵管内での卵子と精子の受精障害、受精卵の発育障害などが含まれていると考えられます。しかし、これらについては確認や検査をする方法はありません。

井上レディースクリニック 不妊検査・治療を理解するための基礎知識 https://www.inoue-ladies.jp/infertility/knowledge/

卵子ピックアップ障害の場合は、腹腔鏡手術(腹部に小さな穴をあけてそこから診断/処理をする手術)をすることになるのですが、この場合は半分以上の確率で自然妊娠できるようになるようです。

腹腔鏡検査の効果(期待度)

35歳までの⽅が癒着剥離術を⾏った場合、術後1年以内に50%〜60%程度の⽅が⾃然妊娠(⼈⼯授精含め)可能となります。術後1年でご妊娠に⾄らない場合は(約40〜50%)、体外受精を検討ください。


原因3.現状の医学ではわからない障害

様々な検査をしても原因がわからなかった場合、現状の医学では診断できない障害であると考えられます。そうなってくると不妊原因が何かを時間をかけて特定するのは止め、どうやって妊娠するかという方向に考えを変えることを進める医師が多いようです。

原因不明不妊と診断された場合、

タイミング療法→人工授精と治療を進めていく過程で、上記のような問題がない場合は、ある程度の治療回数で妊娠してくるはずです。

その方の、年齢や卵巣機能、精子の状態にもよりますが、タイミング療法、人工授精いずれにしてもその妊娠率は5-6回で頭打ちになります。

それでも妊娠しなかった場合は、原因が何か隠れているのかもしれません。

それを解決するためにはどうすればよいのでしょうか?

その答えは、治療のステップアップ、つまり体外受精です。

園田桃代ARTクリニック ~原因不明不妊とは?~ https://www.sonoda-art.com/blog/2020/02/21/%EF%BD%9E%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E4%B8%8D%E6%98%8E%E4%B8%8D%E5%A6%8A%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%EF%BD%9E/

不妊の原因検索を行い、見つかった原因を治療後あるいは原因不明不妊として、いよいよ妊娠に向けた治療が始まると、タイミング療法→人工授精→体外受精とステップアップして行くことになります。

妊娠を希望して1年目で妊娠できる方は84%、2年目で49%が妊娠され、3年目で14%が妊娠できる、との報告があります。

(中略)

タイミング療法は不妊期間の長い原因不明不妊のご夫婦には勧められません。

京野アートクリニック高輪 原因不明不妊の治療のステップアップの話 https://ivf-kyono.com/column/post-2073/

人工授精や体外受精をするとなると不安や抵抗を感じられる方も多いと思います。ですが客観的なデータに基づき判断をする医師の方々からすると、タイミング療法で長期間不妊であった夫婦がそのまま妊活を続けていても自然妊娠できる可能性は低いと判断するということですね。


まとめ

  • 排卵1周期で妊娠する確率は20-30%。長期間妊娠できない確率はゼロではない
  • 一般的な不妊検査で見つからない不妊原因の多くは卵子ピックアップ障害。腹腔鏡手術により50~60%の方が自然妊娠できるようになる
  • 原因が特定できないケースもある。その場合は体外受精などの選択肢がある

ひとこと

筆者は現在妊活10か月目です。1年たっても子供を授かれない場合は妻と相談をしてみようと思います。ですが相談するといっても調べれば調べるほど、妻の体への負担が多そうな検査や治療法しか見つからず相談を躊躇してしまいます。難しいですね。。


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