みなさんこんにちは。妻と妊活中の30歳男性です。
我が家は今妊活を始めてだいたい半年経ちました。すぐに子供はできるんだろうなと思っていましたが、なかなかできないとなってくると不安になってきますよね。子供ができない原因は私の体にあるんじゃないか、というような不安が心の中で少しずつ大きくなっていきます。
今日はそんな不安に立ち向かうべく、世の男性はどんな妊活をしているのか。そもそも男の妊活って何をするのかを調べてきました。
不妊の原因割合
不妊と聞くと「高齢女性が悩むもの」とイメージされる方もいるかもしれません。そのイメージは大きくは間違っておらず、日本産婦人科医会の資料を見ると下の左図のように女性の年齢と不妊率は密接な関係があるようです(参考文献1)。


ですが「不妊」=「女性の問題」かというと決してそのようなことはありません。同じく日本産婦人科医会の資料では不妊原因の3分の1は男性にあると述べられています(参考文献1)。したがって我々男性もしっかりと妊活や不妊と向き合っていく必要があります。
※1996年のデータでかなり古いのですがWHOのレポートを見たところ男性原因は24%、女性原因は41%、両方に原因がある場合が24%とのことでした(参考文献2)。つまり不妊に悩まれている夫婦のうち、男性側に原因があるケースは男性原因24% + 両方に原因24% = 48%となります。このデータからも「不妊」=「女性の問題」ではないということが分かると思います。
男性原因の不妊って?
では男性不妊の原因とは具体的には何なのでしょうか。厚生労働省のレポートを見ると以下のように書かれていました(参考文献3)。

知らない単語ばかりで難しいですよね。筆者も分からなかったので調べて簡単にまとめてみました。ざっくりとまとめると男性不妊の原因は以下と言えます。
- 造精機能障害(精子を作る機能に障害がある) 82.4%
- 性機能障害(勃起や射精に障害がある) 13.5%
- 閉塞性性精路障害(精子の通り道が塞がっている) 3.9%
- その他 0.2%
こう見ると、男性不妊の原因の多くは造精機能に障害があるケースのようです。ひとことに造精機能障害と言っても実は色々な原因があり、以下の2つが主な原因のようです
- 突発性(つまり原因不明のもの) 42.1%
- 精索静脈瘤 30.2%
精索静脈瘤とは精索(精巣へつながっている血管や神経の束)にコブができ、精巣へうまく血液が運ばれないという現象です(参考文献4)。これによって精巣の温度上昇や低酸素状態が引き起こされて精子を作る機能が低下してしまいます。この場合は医療機関での外科手術や薬剤療法が必要となります。
男性がする妊活とは
男性の不妊原因の大多数は精子を作る機能に障害があるケースであるとわかりました。したがって男性がする妊活の第一歩としては、「精子を作る機能を改善させる」と言ってよいでしょう。
具体的に何をすれば精子を作る機能が改善するのかを以下にまとめました。調べてみると科学的に立証されたものからスピリチュアルで怪しそうなものまで色々とありました。今回はちゃんと科学的エビデンスが見つかったものだけをご紹介します。
- 禁欲をしない
- 股間を温めない
- 禁煙をする
- 食生活を改善する
禁欲をしない (参考文献5)
精子の運動率を調べた研究では1-2日の禁欲をした状態が最も精子の運動量が良かったようです。逆に8日以上の禁欲をすると精子の運動量は下がっていくようです。勝負の日の1-2日前には整えておくとよさそうですね。
股間を温めない (参考文献6)
今までサウナに通っていなかった人が3か月間、週2回のペースでサウナに通ったところ、精子濃度、総精子量、運動率が有意に減少したようです。その後サウナ通いを止めたとしても、もとに状態に悖るまでには6か月間も必要だったとのことです。
実は筆者は岩盤浴好きで毎週のように通っていました。もしかしたらそれが原因で精液検査でNG判定になったのかもしれません。以下の記事にて精液検査でNG判定だった話はまとめておりますので、興味があればぜひご覧ください。
禁煙をする (参考文献7)
喫煙者は非喫煙者と比較して、精子濃度や精液量、運動率、形態正常率など全てのパラメータが有意に低かったとのことです。妊娠に必要な精子量が1500 [万匹/mL]であるのに対して、喫煙による精子の低下量は1000 [万匹/mL]とのことなので、喫煙が如何に精子にとって悪影響かわかりますね。
食生活を改善する (参考文献8)
好ましい食事や好ましくない食事は以下であると報告されていました。好ましくない食事には私の好きなものがたくさんありました。つらいですがこれも我慢しようと思います。
好ましい食事
オリーブオイル、全粒穀物、野菜、果物、豆、ナッツ、チーズ、ヨーグルト
好ましくない食事
高脂肪、赤肉または加工された肉、精製した小麦などの穀類、お菓子と加糖飲料
栄養素という観点で考えると、オメガ-3脂肪酸(DHA+EPA)、葉酸、ビタミンB12、亜鉛が精子形成に良いと報告されていました。男性向けの妊活サプリメントも市販されていますので不安な方は購入してみてもいいかもしれません。
まとめ
男の妊活としては以下を行うと良いという科学的エビデンスが見つかりました。
- 禁欲期間は1-2日がベスト
- 股間は冷やす
- 禁煙する
- 高脂肪の肉や加工肉/お菓子/加糖飲料は控える
- オリーブオイル/ナッツ類/野菜/果物/乳製品を積極的に摂取する
ひとこと
ネットを調べていると、エビデンスもなく「これが妊活に聴く」と書かれた商品、サイトが散見されます。私も含めてですが、妊活に悩んでいる状態だとそういった情報に流されやすいですよね。こういった情報には騙されないように、その情報にエビデンスがあるかを確認していかないといけないですよね。
参考文献
1. 日本産婦人科医会 栗林先生・杉山先生の開業医のための不妊ワンポイントレッスン
2. WHO [Comhaire, F.H:Male Infertility, London:Carpman&Hall Medical, 1996]
3. 厚生労働省 我が国における男性不妊に対する検査・治療に関する調査研究
4. プライベートケアクリニック東京 精索静脈瘤とは
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